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地域資源はどう活かす?成功事例8選と実践ステップで魅力を引き出す方法を考える
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日本各地に眠る「地域資源」。農産物や伝統文化、自然環境、歴史的建造物、そして地域で暮らす人々まで、その地ならではの資源は多岐にわたります。
しかし、こうした資源はそのままでは価値を生みません。発掘し、活かす視点と仕組みがあってはじめて、地域の魅力として輝きはじめるのです。
本記事では、地域資源の定義や種類を整理したうえで、全国8つの成功事例を紹介。地域資源を活かす具体的な方法や活用ステップ、さらに自治体・企業・市民それぞれの立場から地域資源とどうかかわることができるのかを解説します。
地域資源とは? まずは基礎知識を紹介
まずは「地域資源」という言葉の意味と、その目的から確認していきましょう。
地域資源の定義と重要な理由
「地域資源」とは一般的に、その土地ならではの自然や文化・歴史などを背景に存在する資源のことです*1。気候・景観・土地に根ざした文化などは、ほかの場所へそのまま持ち出すことができません。この「その地域にしかない」という唯一性が、地域資源の価値の源泉になります。
一方で、地域資源はただ存在しているだけでは価値を生みません。地域に暮らす人々にとっては「当たり前」の日常や風景、暮らしの習慣も、外部の目には新鮮な魅力として映ることがあります。そうした資源が、地域の人々や外部の視点によって掘り起こされ、素材として活用されることで、はじめて地域の魅力や産業の基盤になっていきます。人口減少や過疎化が進む地域でも、眠っている資源に光を当てることで、地域経済の再生や関係人口の拡大につながる可能性があります。
ただし、地域資源のとらえ方は文脈や分野によって異なります。本記事では、主に地域の魅力や産業につながる資源という観点で整理しています。
地域資源の種類一覧
地域づくりや地域活性化の文脈でよく活用される地域資源の例を、以下に整理しました*2 *3。
下の表は横方向にスワイプできます
| 分類 | 具体例 |
|---|---|
| 農畜水産物・加工品 | 地域特産の農産物、加工食品、地酒、畜産品 |
| 郷土料理・食文化 | 郷土料理、伝統的な食の文化やその技術 |
| 伝統工芸・ものづくり | 陶磁器、漆器、織物など地域に根づく工芸品 |
| 自然環境・景観 | 山・川・海・森林などの自然環境、四季の風景 |
| 歴史的建造物・文化遺産 | 城や社寺、近代建築、古民家、廃校・廃工場などの遊休施設 |
| 伝統文化・祭礼 | 祭り・民俗芸能・民話など無形の文化 |
| 人的資源 | 地域に暮らす人々の知恵・技術・人的ネットワーク |
| 空間・施設 | 地域特有の街並み、商店街、空き店舗・空き家 |
地域資源マップとは? 目的と活用法
佐賀県三養基郡基山町の「社会資源マップ」
「地域資源マップ」とは主に、空間や施設、自然、文化などの地域資源を地図や一覧表のかたちにまとめたものです*4。地域資源マップをつくる主な目的・メリットには、次のようなものがあります。
- 資源の見える化:見落とされていた地域の強みを再発見できるほか、地域にある便利な制度や住民活動を可視化することで、必要な人に届けることもできます。
- 課題の整理:人口減少・空き家・休耕地などを地図化することで、地域の問題が可視化されます。
- 関係者の協働促進:住民、自治体、NPOなどが情報を持ち寄ることで、地域の実情を共有しやすくなります。
- 将来ビジョンの材料:5年後・10年後の地域の姿を考える資料にもなります。
監修者コメント|地域資源マップをつくるうえでのポイント

山崎
地域資源の発掘には、地域の方々はもちろん、外部からかかわる人々も含め、できるだけ多くの参加者が一緒になって取り組むことが重要です。そして、みんなで集めた情報が適切に共有され、地図として可視化されることに大きな意味があります。地域の人々が見過ごしていた魅力や関係性にあらためて気づくことで、地域への愛着や誇りを育むきっかけにもなるからです。
マップをつくる際には、手書きのイラストを入れるなど、全体が楽しげな雰囲気になるよう工夫することをお勧めします。「行ってみたい」と思わせるマップにすることで、足を運ぶきっかけが生まれ、その場所の価値を体感した人々が、地域資源を大切にしたいという気持ちを自然と持つようになるからです。
地域資源を活用した成功事例8選
ここからは、地域資源を活用した全国の成功事例を8つご紹介します。
下の表は横方向にスワイプできます
| 地域 | 地域資源の種類 | 概要 |
|---|---|---|
| 北海道仁木町 | 農畜水産物・加工品 | ブドウ栽培に適した気候・土壌と休耕地を地域資源として活かし、ワイナリーを立ち上げ |
| 岩手県遠野市 | 伝統文化・祭礼 | 河童・座敷わらしなどの民話と語り部文化を観光資源として発信 |
| 長野県白馬村 | 人的資源 | 村民そのものを「観光スポット」にして、地域内回遊と関係人口を拡大 |
| 兵庫県神戸市 | 歴史的建造物・文化遺産 | アートNPOが廃墟を再活用し、地域の文化拠点として再生 |
| 兵庫県豊岡市 | 空間・施設 | 空き家を移住者向けに積極活用、定着をめざす |
| 岡山県西粟倉村 | 自然環境・景観 | 「百年の森林構想」のもと、林業の6次産業化でローカルベンチャー創出 |
| 徳島県上勝町 | 自然環境・景観 | 山林の葉や花を活用した「葉っぱビジネス」が基幹産業に |
| 大分県 | 空間・施設 | 全国有数の温泉を「おんせん県おおいた」として対外的に発信 |
1. 北海道仁木町|耕作放棄地を活かしてワインを生産
北海道仁木町のブドウ畑[撮影:タケシタトモヒロ]
「ワインの町」として注目される、北海道南西部の仁木町。隣接する余市町を含むこのエリアは、古くから果樹の産地として知られており、気候・土壌ともにブドウ栽培に適していました。2014年に開業した「NIKI Hills Winery」では、そうした地域の気候・土壌資源を活かしながら、耕作放棄地だった果樹園跡地を開墾し、ブドウ畑と森が共存する豊かな環境を育てながら、レストランやホテル、体験ツアーを備えた複合型ワイナリーへと発展させました。生産から加工・観光体験までを一体的に展開する6次産業化のモデルとして、各方面から注目を集めています。
この取り組みが地域全体へと波及し、2022年には仁木町ワインツーリズム推進協議会を設立。地域の食とワインを楽しめるイベント『ワイリングウォークフェスNIKI』は、いまやチケットが即日完売するほど注目を集めています。眠っていた耕作放棄地を地域資源として見出したことが、「ワインの町」ブランディングにつながった好事例です。
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2. 岩手県遠野市|民話・伝承文化を観光資源に
[撮影:三輪卓護]
岩手県遠野市では、河童や座敷わらしをはじめとする多くの民話が重要な観光資源となっています。
江戸時代、7つの街道の結節点として栄えた遠野では各地からさまざまな情報が流入。冬になると人々は囲炉裏を囲んで語り合うなかで、持ち寄った噂話や民話を自分流にアレンジして新たな話を生み出していったといわれます。
明治時代、日本民俗学者・柳田國男の『遠野物語』で紹介された民話は、1970年頃から観光資源化されはじめ、その後、半世紀以上にわたって語り継がれてきました。現在は「遠野昔話語り部の会」が観光施設やホテルなどで観光客・市民向けに語りを披露。また、小学校での語り部指導も約30年にわたり続けられており、民話文化が次世代に継承されています。
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3. 長野県白馬村|「村ガチャ」で住民を地域資源に
[撮影:関口佳代]
人そのものを観光資源にした「村ガチャ」が注目を集めているのは、長野県白馬村です。白馬村はもともと「民宿発祥の地」といわれるほど、新しい人を受け入れることに慣れており、訪れた人との交流を楽しむ風土が根づいています。2022年に1人の移住者がこの風土こそ観光資源になるのではないかと考えたことをきっかけに生まれたのが、この取り組み。500円のカプセルトイを回すと村民の顔写真と特典チケットが出てきて、そのチケットを持って村民を訪ねると飲食の割引やユニークな体験が待っているという仕組みです。
村ガチャは年間約2,000回まわされ、特典チケットの使用率50%をもとに試算すると、年間1,000回分の地域内回遊を生み出しているとのこと。「村ガチャがきっかけで移住を決めた」という事例も生まれるなど、関係人口の拡大にも貢献しています。
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4. 兵庫県神戸市|近代遺産を創作・交流の場に再生
[画像提供:松本茂章]
戦前に国立移民収容所として建てられ、その後廃墟となっていた兵庫県神戸市の建物を、1999年に地元のアートNPO法人が「CAP HOUSE」として再活用した事例です。
芸術家たちが自主的に管理・運営を行い、創作の公開や市民向けの発表会を重ねることで地域との信頼関係を構築。やがて市も後押しするようになり、国土交通省のまちづくり交付金を活用した保存・修復が進みました。現在は神戸市立「海外移住と文化の交流センター」として生まれ変わり、移民の歴史を伝える展示や市民向けの文化事業の拠点として機能しています。
遊休状態にある歴史的建造物も、情熱ある担い手と地域一体となった取り組みがあれば、地域資源として再生できることを示す事例です。
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5. 兵庫県豊岡市|空き家を地域資源として活用
豊岡市の移住・定住促進ポータルサイト「飛んでるローカル豊岡」
兵庫県豊岡市では、人口減少に伴い増加する「空き家」を、移住希望者と地域をつなぐ接点として活用する取り組みを進めています。
市が移住・定住促進ポータルサイト「飛んでるローカル豊岡」を立ち上げ、物件情報をはじめ、移住者を中心とした市民ライターによる地域の暮らし紹介記事を発信。移住を検討する人に向けた移住者専用お試し住宅など、移住者向けの各種補助制度も整備し、ポータルサイト内で紹介しています。
空き家に入居した移住者は「誰々さんの後に来た人」として地域に認識されるため、近隣との交流が生まれやすくなるといわれています。2016年度からの累計移住者数は374組683人(2025年2月時点)*5にのぼり、空き家を起点としたコミュニティ再生が着実に進んでいます。
6. 岡山県西粟倉村|森林資源の6次産業化で地域経済を再生
西粟倉村の「百年の森林構想」のイメージ図(画像提供:西粟倉村)
岡山県西粟倉村(にしあわくらそん)は、村の面積の約95%を占める森林を活かして地域経済・雇用を創出する「百年の森林構想」を2008年に策定。村は、森林所有者から森林の管理を請け負いながら、木材の加工・流通を担うローカルベンチャーの創出に向けた起業支援に取り組んできました。
これまでにローカルベンチャー企業が約50社誕生し、221名の雇用を創出*6。Iターン者が総人口の約2割を占めるなど、森林資源を多様なかたちへと展開する6次産業化が、村の持続的な発展を支えています。
また、間引きによって生じる木材は木質チップに加工され、ボイラーの燃料として村内の温泉施設や公共施設の暖房・給湯に活用されるなど、資源を無駄なく循環させる仕組みも整えています。
7. 徳島県上勝町|葉っぱビジネスで町おこしに成功
[画像提供:株式会社いろどり]
徳島県上勝町は、山林の葉や花を日本料理の彩りに添える「つまもの」として商品化した「葉っぱビジネス」で知られる町です。
きっかけは、1981年の大寒波で、当時町の主要な農産物だったみかんの木が全滅し産業が危機に陥ったこと。当時の農協職員が料亭で料理に添えられた葉が客に喜ばれる場面を目にし、「上勝の山の葉っぱが売れる」と着想。1986年に事業をスタートしました。
現在は300種以上の葉や花・山菜を生産・出荷し、2024年度の年商は2億6,000万円を記録*7。高齢者や女性を中心とした農家が参加し、年収1,000万円を超える生産者も生まれています。スタートから約40年、130軒もの農家が一丸となって産地としての価値を築き上げてきたことが、この事業の最大の強みです。誰もが見過ごしていた自然資源を基幹産業へと育て上げた、地域資源発掘の好事例です。
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8. 大分県|「おんせん県おおいた」として温泉資源×地域ブランディング
源泉総数5,086、湧出量291,121リットル/分(令和6年度)*8で、ともに全国第1位という圧倒的な温泉資源を持つ大分県。その地域資源を地域ブランドとして打ち出したのが、2013年からはじまった「おんせん県おおいた」プロジェクトです。SNSや観光キャンペーン、県民自身による口コミ発信を組み合わせながら、「おんせん県」というブランドイメージを全国に定着させてきました。
温泉は大分県を訪れる観光客の主要な来訪目的となっており、その経済効果は1,236億円*9にのぼるとされています。近年は温泉をエネルギーや医療・健康分野にも活かすなど、温泉資源の多面的な活用*8が広がっています。
監修者コメント|地域資源を活用した町おこしを成功させるポイント

山崎
まちづくりの世界には「探検、発見、ほっとけん」という言葉があります。地域の隅々までていねいに見つめ、資源となるものを見出し、それを町おこしに活かしていく。そのプロセスには、多大な労力が伴います。成功に至るまでには、さまざまな障壁を乗り越えていかなければならないでしょう。
その過程こそが、かかわる人々の「人間的な成長」を育む場となります。経済的な成果だけでなく、こうした価値基準へのまなざしを持ち続けることが、町おこしには欠かせないと思います。
地域資源はどう活かせる? 具体的な活用方法
地域資源の活かし方は、地域の特性や目的に応じてさまざまです。ここでは、成功事例をもとに4つの主な活用の方向性を紹介します。
資源をビジネスに:農業・漁業・林業の6次産業化
地域の農業・漁業・林業資源を「生産」にとどめず、加工・流通・観光体験まで広げて展開する6次産業化は、地域資源活用の代表的な手法です。
農産物であるブドウをワインに加工する複合型ワイナリーが地域のシンボルとなった北海道仁木町、森林資源を多角的に活用するローカルベンチャーが約50社誕生した岡山県西粟倉村はその好事例です。
資源を観光・体験に:来訪者を呼び込むプログラム化
地域資源を観光体験としてプログラム化することで、来訪者が「その地に行く理由」をつくり出すことができます。
民話という無形の文化資源を観光体験として提供する岩手県遠野市、そして旅先での偶然の出会いという体験価値を生み出した長野県白馬村の「村ガチャ」。こうした「その地でしか体験できない」コンテンツは、リピーターの獲得や口コミによる情報拡散を促します。
資源を商品に:特産品・ブランド化
地域固有の資源を商品として磨き上げ、ブランドを確立することで、地域外への販路拡大や知名度向上につなげることができます。
徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」、耕作放棄地だった果樹園跡地をブドウ畑へと転換し「ワインの町」ブランドを確立した北海道仁木町の事例は、観光誘客から雇用創出、経済活性化まで幅広い効果を生んでいます。ブランド化は「その地ならでは」の価値を言語化し、外部に伝わりやすいかたちにする手法です。
資源を「場」に:遊休施設・近代遺産の再生
使われなくなった施設や建物も、地域資源として活かす視点と仕組みがあれば、地域の魅力になります。
廃墟同然だった近代建築を創造・交流の場として再生した兵庫県神戸市、空き家を移住者と地域をつなぐ接点として機能させた兵庫県豊岡市の事例。こうした遊休資源の活用は、地域の景観保全や防犯・衛生面の改善という副次的な効果も期待できます。
地域資源は誰が活用できる? 立場別に見る活用のヒント
地域資源の活用は、自治体などの行政だけが担うものではありません。自治体・企業・市民のそれぞれが異なる立場からかかわり、強みを持ち寄ることで、より持続的な取り組みが生まれます。
- 自治体(行政):資源の発掘と仕組みづくり
自治体は、地域資源の調査や可視化に加え、地域内外のさまざまな担い手が連携できる環境や制度を整える役割を担います。このような自治体の活動により、地域資源の活用が個人や団体の取り組みとして広がります。
- 企業や外部団体:地域との連携による価値創出
企業や外部団体が地域資源の活用に参画することで、マーケティングや事業化のノウハウ、販路開拓などの強みを活かしながら、地域の担い手とともに新たな価値を生み出すことができます。地域に根づく知見や資源に、外部ならではの視点が掛け合わさることで、単独では実現が難しかった取り組みにも広がりが生まれます。
- 市民・個人:当事者としての熱量と行動
地域に暮らす人々は、日常のなかで培われた知恵や文化、外部の人には見えにくい魅力を知る存在です。こうした「内側からの視点」があるからこそ、地域資源が本来の価値を持って活かされていきます。そして、「この地域をよくしたい」という当事者の熱量こそが、活用を持続させる原動力になります。行政主導ではなく個人の発案を起点とした取り組みは、小さくはじめ、少しずつ地域の理解や共感を得ながら広がっていく可能性があります。
地域資源活用のステップ
地域資源を活かしていくには、どのようなステップを踏むとよいのでしょうか。成功事例をふまえ、実践的なステップを整理します。
STEP1. 地域資源を「見える化」する
はじめに、地域に存在する資源を洗い出します。農産物や工芸品といった有形のものだけでなく、祭りや食文化など無形のもの、地域に暮らす人々のスキルや個性も対象となります。このとき重要なのは、地元住民だけでなく外部の視点も取り入れることです。洗い出した資源は地域資源マップとして可視化することで、関係者間での情報共有や外部への発信がしやすくなります。
STEP2. コンセプトをつくり、外部の力を借りる
資源を洗い出したら、「どのような価値として届けるか」というコンセプトを定めます。大分県の「おんせん県おおいた」や白馬村の「人そのものを観光資源に」といったコンセプトは、地域の独自性を伝えるための軸となります。コンセプトが定まったら、コンセプトに共感し、マーケティングや事業化のノウハウ、販路開拓など、地域単独では補いにくいリソースを持つ外部パートナーとの連携をめざします。地域固有の視点と外部のノウハウを組み合わせることで、実効性の高い取り組みが生まれます。
STEP3. 発信して改善し続ける
取り組みをはじめたら、多くの人に知ってもらうためにSNSや地域メディアを通じた継続的な情報発信が欠かせません。一時的なキャンペーンではなく、地道な継続が地域の認知や共感を育てます。来訪者や住民の反応をていねいに拾いながら改善し続けることも重要です。地域資源の活用は、地域と人との関係を積み重ねていく長期的なプロセスです。
監修者コメント|地域資源活用におけるよくある課題と乗り越え方

山崎
そもそも地域資源の活用とは、地域においてその価値すら認められていない、不要なもの・余っているものを活用すること。活用しようとすることに対して、地域の同意や共感を得ることが、最初は非常に難しいと思います。「この資源にどんな利用価値があるのか」を地域内でいかに共有していくかに大きな課題があります。
乗り越えるためには、時間をかけて少しずつ、小さなイベントなどを積み重ねていくことが大切です。地道な活動を通じた「小さな成功体験」の積み重ねが、地域全体の理解と共感を育てていく力になると考えます。
まとめ
地域資源とは、農産物や自然環境、歴史的建造物、伝統文化、地域で暮らす人々まで、その地ならではの価値につながり得るものの総称です。しかし、資源はただ「存在する」だけでは価値を生みません。発掘し、磨き、活かす視点と仕組みがあってはじめて機能します。
本記事で紹介した8つの事例に共通するのは、「その地にしかないもの」に真摯に向き合い、時には外部との連携を柔軟に取り入れながら長期的な視点で取り組みを続けてきた点です。自治体・企業・市民がそれぞれの立場でかかわり合うことで、地域資源の活用はより持続的で豊かなものになります。
まずは身のまわりを見渡すことからはじめてみてください。「当たり前」と思っていたものが、実はかけがえのない地域の宝かもしれません。
*1:永田恵十郎『地域資源の国民的利用』
*2:中小機構「地域資源活用事業の概要」
*3:観光庁「地域資源の活用」
*4:日本道路交通情報センター、千葉大学工学部、木更津市観光協会、千葉大学「生活者との協働に基づく地域資源を活用した地域活性化に資するマップづくり」
*5:一般社団法人自治体DX推進協議会「デジタルと人的支援が融合した移住促進 豊岡市のUIターン促進と関係人口拡大の新戦略」
*6:全国町村会「西粟倉村の自立と『100年の森林構想』」
*7:株式会社いろどり「葉っぱビジネスの仕組み」
*8:大分県「温泉データ」
*9:大分県「県民ひろば2 おんせん県!おおいた!温泉でできるいろいろ」
この記事の内容は2026年6月11日掲載時のものです。
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Credits
- 執筆
- 宮原智子
- 編集
- 岩田悠里(プレスラボ)、牧之瀬裕加、包國文朗(CINRA,Inc.)