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音を記録し、地域を再発見する。フィールドレコーディングで見出す佐渡島の魅力

  • 公開日
フィールドレコーディングの様子と佐渡金山

風の音や波の音、田んぼに満ちるカエルの鳴き声――。

その土地に長く暮らしていても、自然や生きものの音に、立ち止まって耳を澄ます機会は少ないのではないでしょうか。しかし、そんな「地域の音」に耳を傾けたとき、地域に対する感じ方はこれまでとまったく違うものになるかもしれません。

新潟県佐渡島で2024年から始動した、音を媒介にした地域の再発見プロジェクト(以下、音文化研究プロジェクト)では、「音」をとおして地域の魅力を掘り起こす取り組みを行っています。フィールドレコーディングを用いて、環境音や人の営みを記録するこのプロジェクトは、関係人口の創出や地域活性化もめざしています。

今回お話をうかがうのは、同プロジェクトにかかわる3名。音文化研究者/フィールド録音作家の柳沢英輔さん、佐渡島を拠点に活動する太鼓芸能集団「鼓童」の住吉佑太さん、佐渡市の西牧孝行さんです。

外部の研究者と地元で暮らす当事者、三者の視点が交差するなかで見えてきた展望とは。地域の音に着目した対話的なアプローチに迫ります。

島に響く「音」から佐渡の魅力を発掘。「音文化研究プロジェクト」とは?

佐渡島で2024年からスタートした「音文化研究プロジェクト」について、まずは目的や具体的な活動内容を教えてください。

柳沢

本プロジェクトの目的は、フィールドレコーディングという手法を通じて地域に潜在する音の価値をあらためてとらえ直し、魅力発信につながるモデルを生み出すことです。

佐渡市の地域創生プロジェクトとして、NTT東日本地域循環型ミライ研究所が中心となり「音文化研究プロジェクト」がスタートしました。私は地域循環型ミライ研究所の客員研究員として、立ち上げの段階から企画・フィールドワークの両面でプロジェクトにかかわっています。

【フィールドレコーディングとは】
レコーディングスタジオやコンサートホールのように整った環境ではなく、屋外や日常の空間などのあらゆる場所で音を録る行為、またはその録音物のこと。

話をする柳沢英輔さん

柳沢英輔さん
音文化研究者であり、フィールド録音作家。地域循環型ミライ研究所の客員研究員として、今回の「音文化研究プロジェクト」の立ち上げの段階から、企画・フィールドワークの両面でプロジェクトにかかわっている

録音現場ではマイクとレコーダーを持って、ヘッドホンで音をモニターしながら面白い響きがするポイントを探す。そして、鼓童のメンバーが環境と「対話」するように即興で音を奏でるプロセスを記録していく

柳沢

私はフィールドレコーディングを「録音というプロセスをとおして録音者の身体と対象との関係性が不断に再構築されていく相互的・関係的な実践」としてとらえています。

たとえば新しくカメラを買って散歩に出かけると、レンズをとおすことで日常の風景が全然違って見えたり、普段は気づかない美しさに気づいたりしますよね。それと同じように、レコーダーとマイクロフォンを持って散歩すると、普段耳には入っているけど聞こえていない音が聞こえてくるんです。

身の周りの環境を観察・記録し、録音した音を聴く……という行為を繰り返すことで、「自分自身の身体と環境とのかかわり方や、環境に対する認識が変わっていく」という面白さがあります。

今回プロジェクトの舞台となった佐渡島は、どのような地域なのでしょうか?

西牧

佐渡島は、東京23区の約1.4倍の広さをもつ、海と山に囲まれた自然豊かな離島です。日本で唯一、国の特別天然記念物であるトキと人が共生している地域であるほか、佐渡金山の発展がもたらした多様な文化・芸能が暮らしのなかでいまも息づいています。

その一方で、現在は人口減少が深刻な問題です。2004年には7万人だった人口が現在は46,000人を切り、年間1,000人以上が減少しています。われわれもさまざまな対策をしていますが、全国的に人口が減少しているいま、移住者を増やそうとする取り組みだけでは、限界があると感じています。

だからこそ移住というかたちに限らず、佐渡島と継続的にかかわる人たち、いわゆる「関係人口」をどう広げ、深めて二地域居住や移住につなげていくかを重視しています。今回のプロジェクトが、音という切り口から佐渡島に関心を持ち、継続的にかかわる人を生み出すきっかけになればと考えています。

木々に囲まれた浜辺で、鼓童のメンバー2人と柳沢さんが並んで立っている

佐渡島南部・小木町にある虫谷(むしや)の入り江にて。鼓童の前田順康さん(左)と柳沢英輔さん(中央)、住吉佑太さん(右)

関係人口の創出も見据えるなかで、今回のフィールドレコーディングには、どのような特徴があるのでしょうか?

柳沢

フィールドレコーディングのプロジェクトでは、外部のアーティストがその土地を訪れ、彼/彼女の視点から音を録り、地域住民の視点を反映せずに作品にして終わるケースも少なくありません。

しかし、今回のプロジェクトでは「地域住民との対話」を重視し、佐渡島に住む人々の音の感じ方やとらえ方も取り入れながらかたちにしたいと考えました。特にこのプロジェクトでは、佐渡島を拠点に活動する太鼓芸能集団「鼓童」と協働し、フィールドレコーディングを行っています。

録音した音を聴いてもらいながら、住職にインタビューをしている風景

プロジェクトでは、地域に暮らす人に対し、「日々の生活のなかでどのような音をどのように聴いているか」をたずねるインタビューも行っている。音は記憶や感情と結びつき、語りをとおして、これまで意識されてこなかった地域の魅力が浮かび上がる可能性がある。地域に住む人自身が、音を手がかりに自らの暮らしや土地をあらためて見つめ直すことも、プロジェクトの目的のひとつとしている

佐渡島最北端の鷲崎にある高野山真言宗・寶鷲山観音寺で、住職の梶井照陰さんが太鼓を叩きながら行う読経を収録。柳沢さんは「従来の読経のイメージとは異なり、テンポが速くグルーヴィーで、どこか電子音楽を思わせる響きに圧倒された」と言う

環境に響く音から立ち上がる地域の特徴。これまでのフィールドレコーディングで得た気づき

プロジェクトでは、これまで佐渡島で全5回のフィールドワークを行いました。録音をとおしてどのような気づきを得ましたか?

柳沢

一番印象的だったのは風の音です。特に2025年2月に行った2回目のフィールドワークでは、大雪だったうえに、歩いていて飛ばされそうなほど強い風が吹いていました。風が民家に設置されている竹のフェンス(風除け)に当たり、笛のような高い音を立てていて、すごく印象的だったんです。

風自体は音を出しているわけではありませんが、何かに当たることで音が鳴ります。つまり風というのは、その場所にあるモノや地形を「可聴化」する存在なんですよね。

曇天のもと、尖った岩が特徴的な海岸の様子

2回目のフィールドワークで訪れた万畳敷の海岸。荒れ狂う波の音や風の音、周辺の排水溝に水が流れる音の録音を行った

住吉

僕たち鼓童は2025年4月に行った3回目のフィールドワークから参加しているのですが、最初に柳沢さんとミーティングをしたときにも、この「風による地域の可聴化」の話をされていましたよね。

風と同じように、たとえば洞窟みたいなところで音を立てると、地形が持つ独特の響きみたいなものが可聴化され、はじめてその空間が想像できるようになる。太鼓や笛の音をフィールドに置いたときに、どのような音がして、どのような地域の特徴が浮かび上がってくるのか。今回のプロジェクトは、そういう楽しみもありました。

【太鼓芸能集団「鼓童(こどう)」とは】
佐渡島を拠点に国内外で活動するプロの太鼓芸能集団。島の自然や暮らしと向き合いながら、太鼓や笛などの音をとおした表現を行っている。
本プロジェクトでは、フィールドレコーディングを通じて、島の自然や暮らしと地域の環境と音の関係をともに探るパートナーとして参加している。

なるほど。実際に太鼓や笛の音をフィールドに当ててみて、「まさに環境が可聴化された」と感じたエピソードはありますか?

柳沢

3回目のフィールドワークでは、鼓童さんと宿根木(しゅくねぎ)という島の南西部に位置する集落へ行き、隆起波食台(りゅうきはしょくだい)という、まるで火星のようにゴツゴツした岩場が広がっている場所で録音を行いました。

住吉さんが篠笛を吹き、同じく鼓童のメンバーの平田裕貴さんが桶太鼓を叩いて、数百メートル先にある岩に反射して時間差で返ってくる反響音にマイクを向けました。ドンと太鼓を叩くと、山彦のように遅れて響きが戻ってくるんです。これもまさに「環境を可聴化する音」ですよね。すごく面白くて、かなり印象に残っています。

隆起波食台で録音した反射音

カエルとの即興セッションも。自然との「対話」から見えてくる地域の多面性

住吉

柳沢さんとのレコーディングは即興的で、楽しいシーンがいくつもありました。個人的には、2025年4月に僕の家の近くにある田んぼで行ったフィールドレコーディングが特に印象に残っています。

この時期になると、田んぼの近くでは信じられないくらいの騒々しさでカエルが鳴くんですよ。事前に特別な打ち合わせがあったわけではないのですが、「田んぼのなかで笛を吹いてみたら、どうなるだろうか」という流れになって。即興的に僕が田んぼのなかへ入って笛を吹き、柳沢さんがその様子を録音してくれました。

田んぼのなかに入っていくと、カエルは警戒して鳴き止んで、静かになる。そしてしばらく息を潜めていると、また鳴き出す。僕が笛を吹いたときも、後ろを軽トラックが通ったときも、いったん鳴き止むのですが、しばらくするとまた鳴き声が盛り上がっていく。その様子に合わせるように、僕も少しずつ笛の音を強めていったんです。

田んぼで録音したカエルの合唱と笛の音

住吉

このときのフィールドレコーディングはすごく印象的で、まるで対話のようだと感じました。いままでミュージシャン同士の対話的な演奏は当たり前にやってきたけれど、カエルという生命、ひいては周囲の環境と、音をとおしてやりとりしているように感じられたんです。すごく面白い体験でした。

思いがけない自然とのセッションですね。この「環境と対話している」という感覚は、録音者である柳沢さんにも共通してあるものなのでしょうか?

柳沢

そうですね。録音しながらマイクが拾う音をヘッドホンで聴き、その場の響きを確かめているときも「対話している感覚」に近いものがあると感じます。

フィールドレコーディング用の高感度なマイクを通すと、自分の耳で聴く以上に音が拡大されて、小さな音まで浮かび上がってくるんですよね。そこに意識を集中させていくと、響きのなかに自分の身体が入り込んでいくような、身体と環境との境界が溶けだして、環境と一体になるような感覚が生まれてくるんです。

だからいい録音ができたときは、いい対話ができたなと思えるし、はじめて訪れた場所であってもその場所と少しだけ仲良くなれたというか、自分の身体の一部として取り込めたような感覚になるんです。

佐渡島南部・小木町にある虫谷(むしや)の入り江で行われたフィールドレコーディング。虫や鳥の声、波がちゃぽちゃぽと鳴る音が響く空間で、この場所で拾った石の笛やガラス瓶と桶太鼓を使った即興演奏を収録した

環境と対話する経験を経て、日々の生活のなかでも音への向き合い方は変わりましたか?

住吉

そうですね。フィールドレコーディングに参加したことで、季節ごとの音の変化にも注目するようになりました。春、夏、秋の佐渡島は生命のさまざまな音であふれていますが、逆に冬になると生命の音がまったくしなくなるんです。

鳥も虫も鳴かず、島を覆う雪が音を吸い込んでしまう。足音や物音の響きもほとんど返ってこないので、玄関を開けて外に出ると、耳がシュンと雪に包まれたように感じます。にぎやかさと静けさの幅がとても大きいところが、佐渡島の音の面白さだと思います。

西牧

まさに住吉さんがおっしゃるとおりですね。私自身も長く佐渡島に住んでいますが、プロジェクトをとおして、同じ島内でも季節や場所ごとにまったく違う音環境があるのだとあらためて気づかされました。

たとえば、柳沢さんが注目されている風の音も、春から夏にかけては心地よく感じる一方で、冬場は生命の危機を感じるほど、厳しい表情を見せるときもある。そうした音の振り幅からも、地域の多面性を感じられますよね。

佐渡島・宿根木の隆起波食台で行われたフィールドレコーディング。強い風が吹き抜けるなか、三脚に設置した柳沢さん自作の「エオリアン・ハープ」と、鼓童メンバーの桶太鼓やケーン(管楽器)による共演を収録。風速や風向きの変化に応じて、ハープの音は音量や音色を忙しなく変えながら揺れ動いていた

佐渡金山で行ったフィールドレコーディング

5回目のフィールドワークでは、佐渡金山でフィールドレコーディングを行ったかと思いますが、これはどのような体験でしたか?

西牧

2026年2月に行われた佐渡金山でのフィールドレコーディングでは、私もはじめて録音に立ち会うことができました。

【佐渡金山とは】
1601年に開山し1989年まで稼働した日本最大級の金銀山。金78トン・銀2,330トンを産出し、江戸幕府の財政を支えた。現在は、江戸時代の手掘り坑道「宗太夫坑(そうだゆうこう)」と明治時代の機械掘り坑道「道遊坑(どうゆうこう)」を一般公開。2024年にユネスコ世界文化遺産に登録されている。

西牧

普段スピーカーから流れている観光用のアナウンスの音声を切り、坑道に入っていろいろな場所で音を録っていくなかで、水が流れる音を聴いたんです。その音がすごく神秘的で、この水はどこまで流れているのだろう、坑道の空間はどこまで広がっているのだろう、と想像を巡らせることができました。

たぶんこれまでも聴こえていたのだと思いますが、こんなにはっきりと意識的に聴こえたのははじめてで、象徴的な体験となりました。

佐渡金山を空から見た様子

佐渡の山あいに広がる佐渡金山の全景

薄暗い坑道のなか、太鼓を持って立つ2人と、そのまわりで機材を構える人々

2026年2月に佐渡金山坑道内で行われた、フィールドレコーディングの様子

柳沢

通常、坑道内は観光客がいてあまり静かな空間ではありません。そうすると、なかなか音を聴くモードにはならないと思うんです。

けれども、フィールドレコーディングをするという目的があると、その場に立ち会うみんなが音を立てないように気をつけますし、空間に響く音を集中して聴くことができる。そこからはすごくたくさんの発見があり、その場が持つ微細な表情を受け取ることができます。同時に、音に意識を向けて時間を過ごすなかで、普段われわれがいかに視覚中心で生き、世界をとらえているのかにも気づかされるんですよね。

住吉

坑道自体の響きも面白かったですね。江戸時代につくられた「宗太夫坑」は手掘りで壁面が凸凹しているため、音が響きにくく静か。一方、近代につくられた「道遊坑」はきれいに機械で掘られているため音が響きやすく、残響も長い。非常に対照的な音空間でしたね。

佐渡金山の「高任坑」で太鼓を演奏する住吉さん

佐渡金山の「高任坑」から住吉さん、「道遊坑」から前田さんに即興で太鼓を叩いてもらい、その二つの坑道のあいだ(外)にマイクを立てて録音した

「道遊坑」での太鼓と無名異焼の演奏の音

住吉

坑道で太鼓を叩くのはとても面白かったです。即興で演奏しながら坑道のなかを移動していると、奥へと続く古い木の扉があって。そこに向かってドンと太鼓の音を飛ばしたとき、扉の先にある坑道の空間にボーンと響いた瞬間があったんです。それがすごく気持ちいい音で。

それからひたすら太鼓を叩いていると、目の前の空間だけでなく、扉の先まで800メートル続く坑道全体が、音の響きをとおして立ち上がり、こちらに返ってくる感覚がありました。「絶対にほかではこんな体験できないだろうな」と、興奮しながら演奏していましたね。

レコーダーを持って録音をしている柳沢さん

明治時代につくられた「道遊坑」で録音をしている柳沢さん

佐渡島には磁力がある。音文化研究プロジェクトが生み出す、新しいかかわり方

「音文化研究プロジェクト」の一環としてフィールドレコーディングも続いていくかと思いますが、今後はどのような音を採取予定なのでしょうか?

西牧

次はぜひ、佐渡島の伝統的なお祭り「鬼太鼓(おんでこ・おにだいこ)」の音を録音していただきたいです。私自身、子どもの頃からずっとかかわってきたお祭りなのですが、時期が近づくと夜に太鼓の音が聴こえてくるんです。その音がすごくワクワクして、心が躍ります。

しかもこのお祭りは、島内に100以上ある集落ごとに流派が異なるのが特徴で、太鼓だけの集落もあれば、笛や大獅子、豆まきがある集落もある。各集落の生活に根ざして生まれ、伝承されてきた固有の音なので、コンサート会場ではなく集落のなかで響かせることに価値があるのかなと思っていて。この研究を通じて、「鬼太鼓」の音がどのように地域の誇りとして共有されていくのか、ぜひ確かめたいところです。

お面を被った豆まきの翁と赤鬼・青鬼が道に立っている

佐渡島に伝わる鬼太鼓の流派のひとつ、「豆まき型」の様子

赤鬼と青鬼が向かい合って舞い、その後ろに横笛を吹く人が並んでいる

佐渡島に伝わる鬼太鼓の流派のひとつ、「前浜型」の様子

今回のプロジェクトをとおして、「地域の音」が今後どのような意味を持っていくとお考えですか?

柳沢

私自身は音に関心があるので、音や響きが面白いだけでもその地域に魅力を感じるのですが、音にそこまで関心がない人にとっては、音だけで「いい地域だ」と思えるかというと正直なかなか難しいと思っていて。たとえば、視覚的な要素や手触りや素材感といったほかの感覚と組み合わせることで、より立体的にその土地の魅力が伝わるのではないかと考えています。

現在は、これまでに録音してきた音をLPレコードとしてリリースする準備を進めています。ただし、音源を出して終わりにはしたくはありません。島の住民との音をとおした対話を進めて、将来的には佐渡島でワークショップを行ったり、島のさまざまな音を集めたデジタルサウンドマップを制作したりと、活動を広げていきたいですね。

そうした取り組みをとおして、佐渡島に暮らす人たちのあいだで「この季節はこんな音がするよね」と声を交わすような、新しい対話が生まれていけばいいなと思っています。あわせて、島外の人にも「こんな音が鳴っているんだ」と興味を持ってもらい、佐渡島を訪れるきっかけになればうれしいですね。

住吉

柳沢さんがおっしゃるように、このプロジェクトは単純に「サウンドアートとしての面白さ」の追求と、「地域の暮らしや歴史のアーカイブ」という二つの軸があります。個人的には、その二つをつなぐのが「鬼太鼓」の音だと思っていて。集落ごとに固有のリズムを持つ鬼太鼓から、音楽性と民俗性が合わさる道筋が見えると期待しています。

岩屋山石窟で行われたフィールドレコーディング。洞内はひっそりと静まり返り、鳥や虫の声、風の音がかすかに届いていた。天井から落ちる雫が金属の椀に当たって響く音に、太鼓や鳥笛の音を重ね、その場の空気と呼応するような演奏を収録した

柳沢

地域の音は、民俗、生態、歴史、社会、産業、芸能など、いろんなものがかかわり合って生まれています。佐渡島の集落ごとに受け継がれてきた「鬼太鼓」の音は、たしかに地域を象徴する音としてとても興味深いですね。

今後は、もっといろんなバックグラウンドを持つ人がかかわるプロジェクトになっていけばいいと思いますし、面白い活動をしていれば人は自然と集まるはずです。佐渡島は人を惹きつける磁力がある地域だと思うので、このプロジェクトが地域住民やかかわる人にとって、地域の新たな側面を発見したり、魅力を感じたりするきっかけになったらうれしいですね。

この記事の内容は2026年5月26日掲載時のものです。
佐渡金山での録音は、施設管理者の許可を得たうえで実施しています。

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Credits

取材・執筆
宇治田エリ
編集
牧之瀬裕加(CINRA, Inc)

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